お香の鳴音での考察
私は好きでお香を作って販売しています。
お香の鳴音という名義なのですが、名前の由来はさておき。
なぜお香が流行らないかを考えました。作ってる人、少ないです。笑
同じ香りを楽しむいわゆるアロマ業界(エッセンシャルオイル)に比べて、
「めんどくさい」「ノウハウが体系だっていない」「材料は輸入に頼る」「医学と結びついていない」「華がない」「儲からない」この辺りではないかと思います。
せっかくなので私見をまとめてみました。
同じ香りを楽しむもので、いわゆるアロマ業界があります。
アロマ業界には、きちんとしたものから怪しいものまで、たくさんの協会があります。
一方で、お香の方はというと、お線香の会社が個別でまとめていたりするものの、
お香は体系だった教則本が圧倒的に少ないです。
私も本でいろいろ調べてみましたが、お線香の会社や組合ごとに出している本がほとんどで、微妙に素材や植物の解釈が違ったりします。
(特に、零陵香なんかは本によっては違う植物を紹介してたり。すごく曖昧。複数の本で調べること、大事。)
ではなぜ、アロマ業界・エッセンシャルオイルにはたくさんの教則本があるかというと、
西洋医学(化学)と結びついていたり、英語で書かれている本があるからではないでしょうか。
お香は、医学というよりも「香道」があるように、どちらかというと道楽でした(今なんかはスピ系が多い。ゾワゾワッ)。
お香の本場といえば、西洋ではなくアジア〜中東です。
やはり言葉の壁があり、体系だったノウハウを丸ごとを輸入できていないまま今に至るのではないか、と考えます。
お香の本場がなぜアジア諸国かというと、主要な材料が東南アジア〜中東で採取されるからです。
日本で育たない植物も多く、また、入手方法も超絶めんどくさいもの(樹脂系)が多いです。
さらに、素材になるまで乾燥・加工するものめんどくさい。
そうなると、材料は輸入に頼る。
しかも、お香の素材はエッセンシャルオイルほど多くない。
そうなると、各社が同じ材料を仕入れて作ることになる。各社の差異が小さい。
そうなると、差別化が図れず、お香を使う人(分母)が多くならない限り、儲からない。
こういう循環の中で生き残っている会社が細々と回しているのが現状ではないかなと勝手に思っています。
時々、私のお香の卸先に、視察というか「これから地域おこしとか絡めておしゃんなお香を作ろうと思っています」という感じの方が見られます。
ですが、なかなか表に出てこないのをみると、先述のような理由で「あ、採算取れないな」と感じて手を引っ込めているのではないかと思います。笑
競合もおらんからブルーオーシャンのようで、調べたらブルーオーシャンじゃなかった、みたいな。笑
だらだら描いてしまいましたが、私は、なんとなーく、お香界隈の特性を感じていましたので、オリジナルのお香を作るときには、お香の材料になる身近な植物を徹底的に調べて素材で差別化すること、効能を謳わず他の価値や植物そのものに重点を置くこと、めんどくさいことは競合がしないんだから我慢する(笑)、小さくても続けていけるだけの利益が出る仕組みでやる、こんな感じにベクトルを調整しつつ始めました。
私がお香を続けていけてるのは、単純に植物が面白いのと、お香を黙々と作る時間が写経のような自分を整える時間になってるからなんですけど。
というわけで、せっかくなので私見をまとめてみたのでした。
ざざっと勢いで書いたので、そのうち清書します。
(更新2025/3/23)