コラム21~30
Note 021 「厄神様」2025年2月2日
どうやら厄年らしいです。一般的には何をやってもダメな年らしいです。
でも、男の40とか女の30とかって、ぼちぼち環境変えたいな〜て思うお年頃じゃないですか〜〜。
そんなお年頃を捕まえて厄年と言い出したのは昔の人。
そう、知恵のある昔の人が考えることです。
厄年は、何をやってもダメなんじゃなくて、多分
新しいチャレンジで失敗しても厄年のせいにできるから
色々やってみたらええんちゃいますか、っていう年。昔の人が言うてくれとんです。
ダメ元の時って、むっちゃパワー出るやんね。
Note 022 「猫に平伏せよ」2025年2月22日
2月22日。この時期になると「猫の日」のイベントがあちこちで開催される。
だがしかーし、猫グッズの収益は、きちんと猫に還元されているだろうか。
生身の猫たちは、単なるコンテンツとして消費されていないだろうか。
猫イベントの収益は、猫に還元されるべきだと思うし、
くまモンのグッズの売り上げは、熊の環境保護に使用して欲しいし、
タコ踊りをする人は、タコのQOLの向上に努めてもらいたいし、
駅伝の時には、街路樹の管理をしているおばさんにも水を飲ませてあげて欲しい。
そんなことを考えて「猫の日」を楽しめないでいる。
現在、我が家には飼い猫が2匹(過去に看取った飼い猫は2匹)。
加えて、敷地内で2匹の猫親子が暮らしている。
我が家は毎日が猫の日なのです。
Note 023 「地の果ての名刺」2025年2月24日
名刺は、相手のそれよりも下になるように差し出すものだ。
社会に出て間もない頃の新人教育セミナーで、そのように教えられた。マナー講師は、キュウリが曲がっているだけで怒り出しそうなおばはんだった。彼女はきっとデートでは10分前に到着しているのだろう。急に手を握ってみたらどう反応するだろうか。急に腰の辺りを手でグッと引き寄せたりしたら柔くなったりするのだろうか。
そんなことを思う間も無く、私も新人教育セミナーのグルーブ感に飲まれて「まぁ、そういうもんなんだな」と刷り込まれた。
それは、今になっても、名刺交換の時に出ている。
相手の名刺の下に滑り込ませるようにして、差し出す。勿論、相手もその知識があれば、そうはさせるかと下へ下へと小競り合いが続くことになり、地獄の底まで、どちらかが折れるまで繰り返されることになる。
「そういうもん」なのだろうか。
ビジネス界での取引先というのは、対等な立場であるべきではないだろうか。
日本の偉いさんには、まだまだおっさんが多いので、マナーが良い=おっさん好みの人間、というすり替えではないだろうか。そういう疑念も持ちながら、やはり初対面は大事にしたいという思いが釘として刺さり、このマナーは抜けないであり続けると思う。自分を下に見せておくマナー。嫌いじゃないですが。
ですがまぁ、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉があるように、自分を卑下せず、相手を過大評価せず、シュッと名刺交換をしつつ、ちょっとした雑談を始めて、場を楽しむような、そのコツを学ぶようなマナー講習になっていって欲しいなと思うんです。
初対面の方と握手をするのも良いと思うんですよねー(やはりマナー講師の手は握るべきだったか)。
Note 024 「電話の暴力性」2025年3月12日
何を隠そう、私は電話がむっちゃ嫌いです。
電話は、急にかかってきます。本を読んでいる時、ご飯を食べている時、入稿前のデータをいじっている時、用を足している時、お構いなしです。
電話は、行ったり来たりになります。不在時の着信履歴を見て、かけ直すと不在となれば、また相手からかかってくる電話を待たなければならない。気力を奪われる。
相手のことを思うならば、メールやチャットを使うべきでしょう。
大概のことはメールやチャットで済ませられるし、急ぐ必要もないし、文章に残るので間違いもない。
しかーし、それが伝わらない人がいる。
その場合、我慢を強いられるのはこちらだけであり、電話に出た途端にイーブンな関係にはならない。癪にさわる。
ちなみに以前、電話をネタにイラストを描いたことがあるんです。
内容は「公園で砂場遊びをしている子どもに、野球のボールが飛んでくる」ものでした。
他のことに熱中していても、容赦無くキャッチボールをさせられるわけです。
電話は、突然振るわれる暴力に似ています。
(関係ないですが、中学校が荒れていて、授業中に不良が教室に入ってきて突然殴られているクラスメイトがいた。電話はまさにアレ。)
必要なことの電話。たとえば、仕事の細かな打ち合わせや、緊急時の電話ならいいのですが、
よくわからん電話営業とか、「知らんがな。自分で決めんかい」という内容の電話が何度もあるのはしんどい。
時間泥棒は捕まらないのでしょうか。
Note 025 「戦略的飽き性」2025年3月12日
私は、自分が飽き性かつ、興味のあることには集中して取り組む性質があり、かつRPGのボス戦の前で急にやる気がなくなる性格であることを発見した。
これはつまり、一つの会社に定年までいることに向いておらず、また一つのスキルを永遠に磨き上げて極めることにも向いていない。
そんなことを考えていたところ、20代の時に経済学者リンダ・グラットンさんの「WORK SHIFT」という本を読み、感銘を受けた(きっかけは、当時購読していた雑誌クーリエ・ジャポン)。「長寿かつ定年の伸びた現代人は、10年ごとに仕事を変えて、新しいスキルを習得していき、人生をパッチワークのように生きるのも良い」というような内容。
また、その後、藤原和博さんなど考え方の面白そうな方々の本も読んでいると、これらも、一つのスキルで頂点を極めるような人は一握りでである(メッシとかイチローとかね)ため、長い仕事人生をどのような舵取りをしていくかというような内容で、これにも先述のリンダ・グラットンさんの著書と似たようなことが書かれており、まぁそういうことなんだろうなと思うようになった。
ざっくり言うと「一芸で突出した才能を持たぬ者は、スキルの掛け合わせをすることで強くなれ」ということである。
私自身、10年近いスパンで仕事や環境を変えており、まさに「WORK SHIFT」を実践中であると言える。
10代のキーワードは、学生、サッカー、音楽、勉学、努力、忍耐、兵庫県、悪ふざけ、恥、犬。
20代のキーワードは、会社員、営業職、メーカー、土木建築、都市計画、ブルーカラー、奈良、大阪、岡山、広島、場末のスナック、煙草、酒、バックパッカー、猫。
30代のキーワードは、フリーランス、グラフィックデザイナー、地方、イラストレーター、ギャラリー運営、鹿児島、植物、DIY、企画運営、猫。
こうやって並べてみてもガラッと変わる。けれども、全部自分の中にあると思う。
そんな私、先日40代になり、この10年のキーワードはなんやろかと考えてみたところ、ふと以前から興味のある分野としてあった教育関連の事業が思い浮かび上がった。というわけで、新しい生活へSHIFTしてみようと思います。
Note 026 「自然エゴ園」2025年3月14日
子供を自然の中で自由に遊ばせたい、という層をターゲットとしたビジネス(こども園とか)を見ることがある。
良いと思う。けど、特別とは思わない。
子供に与える選択肢・習い事の一つとして、存在しているという解釈でいる。だから諸手を挙げて賛成、というわけでもない。
こういうことを言うと、人の心を無くしたアホボケカスと言われるような圧力を感じるからあまり言わないようにしている。
させたい、とか、自分がしたかった、とか、親のエゴの一つの形だと思う。
真逆のようだけど「早いうちから勉強させたい」というのと一緒。
子供を自由に遊ばせる系のビジネスをしている団体側にも言及すると、その世代は簡単で良い。芸術は爆発だ〜!のノリで良い。
だから、自然の中で泥んこになって遊んで、よくわかんないからアートって呼んじゃおう!みたいなものを作らせるビジネスは割と多いと思う。
ある程度の年代まで、子供は親から与えられる世界で暮らすしかないから、ビジネス側は親を捕まえたらオッケー、と言うわけである。
それよりも、子供にとって問題なのは、「ああ、こういうのやりたいな」と
若い世代が自発的に思った時の、目の前の選択肢の少なさではないかと思う。
そのタイミングって、割とスカスカというか。そこら辺の受け皿がない。まぁ、ビジネスになりにくいから無いんだろうけど。
子からすると、親から与えられるものでは満足できないのは分かってきたけど、自分の行動範囲では掴めない、と言う感じ。
特に田舎は酷い。子は車の運転もできない。子の意識が変わった時と、子の力で行動できるまでとのタイムラグが5年くらいあると思う。長い。
自分はギターかっけー!ってなった時、近場にライブハウスがあったし、いろんな大人に面白がって見てもらえたから恵まれていたと思う。
あの若い頃の時代の熱はドーピングみたいなもので、いくらでも打ち込めた。その熱を活かせないのは人生において勿体無いと思う。
だからそういうサービスが作れたら良いなと思う。
大きいビジネスにならなくても良いから、その世代の熱をぐるぐる回せるような何かを。
Note 027 「STOP! 補助金中毒」2025年3月21日
昔々、とあるメーカーでは、
土木水道関連の仕事と、都市景観の仕事がありました。
前者が継続的に出る仕事(いわば日銭)で、
後者がスポットもので出る仕事(いわばボーナス)でした。
そして、後者は金額・利率もまとまって出るものでした。
とある営業所は、後者の味を占め、
前者(日銭)を捨てて、
後者(スポットもの)を追いかけるようになりました。
しかし、降ってわくスポットもの。
そうそう出るものではなく、
売り上げはほぼゼロの月もあり、
完全にお荷物な営業所となってしまいましたとさ。
という、実話を元にしたホラー話ですが。
(私は別の営業所で、アホの営業所の売り上げをカバーしてた。今思い出してもあの営業所のおっさんどもムカつくわ)
これ、会社やからクビにならん限りは給料出るけど、
これを個人事業主でやっちゃうと普通に死にます。
今の話に戻しますが。
補助金関連の仕事をしていると、これの話を思い出します。
手が回らないので私から直接、補助金関連の仕事をとりに行くことはしませんが、
時々、回り回って、私のところに来ることがあります。
大変ですが、ありがたく、真摯にお仕事をさせていただきますが、
補助金関連の仕事だけあって、一撃の金額が太いなぁと感じます。
ですがまぁ、先述の通り。
これに慣れてしまうと危険。
コツコツと積み上げることを忘れ、
補助金の中毒になってしまうので気をつけましょう。
(自戒の念を込め投稿)